ステンレスと錆

ステンレスは、鉄にクロム・ニッケルなどの元素を加えた合金鋼です。
錆びにくいのは、鉄にクロムを添加することで表面に非常に薄い酸化皮膜(不動態皮膜)をつくり、周辺環境と反応しにくくなり耐食性が強くなるためです。
クロムを11%以上加えると耐食性が向上し錆びにくくなります。
またニッケルやモリブデンを加えていくと耐食性がさらに向上していきます。
この不動態皮膜は傷ついても酸素や水があればすぐに新しく再生され、
さびの発生を防ぎます。
この不動態皮膜によって、いつまでもステンレスを美しく保つことができるのです。

鉄にクロムが混ぜられると、クロムが酸素と結合してステンレスの表面にうすい酸化皮膜(不動態皮膜)ができます。
この不動態皮膜はあらゆる媒体を遮断する、目に見えない緻密な保護膜なのです。また、ガラスのような非常に緻密で密着性の良い柔軟な構造をとっているため、地金のステンレスにうまくくっつき、均一で薄い化学的に安定した膜になっていると考えられています。
その厚さは100万分の3mm程度と大変薄いため肉眼では見えませんが、非常に緻密で堅く簡単に破壊・侵食されることはありません。
仮に何らかの原因によって破壊・侵食されることがあっても、その原因を除去しその部分のステンレス表面が直接空気中の酸素と触れるようにすれば、ステンレスに含まれるクロムが酸素と結合して皮膜を再生しますので、錆びにくいというわけです。

ステンレスにはいろいろな種類があり、金属組成的に分けると3種類(マルテンサイト・ステンレス、フェライト・ステンレス、オーステナイト・ステンレス)になります。
ステンレスは鉄をベースとし、クロムあるいはクロムとニッケルを基本成分として含有する合金鋼です。
マルテンサイト・ステンレスとしては13%クロム(SUS410)、
フェライト・ステンレスとしては18%クロム(SUS430)、
オーステナイト・ステンレスとしては18%クロム−8%ニッケル(SUS304)や
18%クロム−8%ニッケル−2.5%モリブデン(SUS316)が代表的です。

ステンレスの表面に軟鋼・亜鉛・アルミニウムなどの異種金属が長時間接触または連結した状態で放置され、間に水分(湿気・結露等)を含むと、電池作用によりこれらの異種金属が腐食を起こし、鉄分が溶け出した錆が発生します。
これはステンレス自身が錆びたのではなく「もらい錆」といいます。
以上のことから異種金属との接触はできるだけ避ける必要があります。
ステンレス製品をいつまでも美しく保つには、定期的なメンテナンスが必要です。
また、使用時には環境や条件に適した鋼種の選択が必要です。
●軽度の汚れやしみ/中性洗剤や石鹸水を布やスポンジに含ませ、その後水洗いや水拭きをして、最後に乾いた布で仕上げをしてください。
●初期の錆び(もらい錆び程度)/市販の清掃薬品を用い、スポンジやタワシ等で除去してください。その場合、局部的に「ためし拭き」をして洗浄効果を確認後、満足な結果であれば全面の清掃をしてください。その後は十分な水洗いをして最後に乾いた布で拭いてください。
●赤錆び:市販ステンレス清掃薬剤の赤錆び用を使用するか硝酸の15%希釈液を使って、ステンレスタワシ等でこすり落としてください。この場合も十分な水洗いが必要となります。

■磁石にくっつくステンレスがある。
ステンレスには、磁石につくものとつかないものがあります。
鉄にクロムを10.5%以上混ぜたステンレス(400系ステンレス)は磁石につきますが、鉄にクロム18%とニッケル8%を混ぜたステンレス(300系ステンレス)は磁石につきません。
ただし、厳しい曲げや絞りなどの冷間加工を加えると加工部分の金属組織がマルテンサイトという金属組織に変形し、その結果磁性を持つようになります。
磁性を持つということは磁石につくということであり、磁力を帯びるということではありません。


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